法福寺トップページへ
To top

日蓮宗法福寺TOP > 教え





お釈迦様の教え、日蓮聖人の教え(2021〜25年)

日蓮宗新潟県西部宗務所所報『佛心伝心』のシリーズ「法の燈」より、住職が担当した文章を若干書き換えたもの
第75号:「お題目修行のすすめ〜現世浄土化計画へ〜」

2023年春季彼岸会一言法話
2022年春季彼岸会一言法話

教え(2016〜20年)
教え(2015年)
教え(2014年)
教え(2013年)
教え(2012年)
教え(2011年)
教え(2010年)
教え(2009年)
教え(2008年)
教え(2007年)
教え(2006年)
教え(2006年以前)



お題目修行のすすめ〜現世浄土化計画へ〜



…与謝野晶子…

筆(ふで)硯(すずり) 煙草(たばこ)を子等(こら)は 棺(かん)に入(い)る 名のりがたかり 我れを愛(め)できと

 君死(きみし)にたまふことなかれ…、で有名な与謝野晶子が、夫鉄幹との永別での想いを詠んだ短歌です。

 子どもたちが、筆や硯など故人の愛用品をお棺へ納める。「鉄幹の大切なものを納めるならば、最も納めるべきは私です」と言いたいが言えない…、そんな心情のようです(結局は作品にして吐露してしまうのですが…)。


…現世の生き方…

 与謝野夫妻の幸せな夫婦生活が垣間見える歌ですが、みなさまはご自身がお棺に入るとき、遺族がどのように振る舞うか、考えたことはございますか。

 日蓮聖人は、

先(まづ)臨終の事を習(なら)ふて 後(のち)に他事(たじ)を習ふべし

とおっしゃっております(『妙法尼御前御返事』)。

 私たち現代人は日々忙しく、つい目先のことに気を取られがちです。そうはせず、先ず人生のゴール地点をしっかり見据えてから日々のことに対処しましょう、ということです。


…米津玄師…

 シンガーソングライターの米津玄師は、ABEMA(アベマ)TVの『有田哲平の引退TV』を「すごい」と評価しています。その理由に、
死から逆算していって、「今なぜ生きているか」を深掘りしていく
死が浮かんでいることで、より「生きることは何か」「どうやって生きているのか」を浮き彫りにする。緊張感が生まれる
を挙げています。

 先の日蓮聖人のお言葉に通じるところがありませんでしょうか。


…お題目修行…

 臨終後に目指すは、お釈迦様のいらっしゃる霊山浄土(りょうぜんじょうど)です。その様子はお自我偈に書かれています。

我此土安穏…散仏及大衆
(穏やかで、庭や建物は宝で飾られ、樹木は美しく、花は咲いて果物がなり、人々は楽しく過ごしている。音楽が奏でられ、人々は踊り、空から花が降ってくる(趣意))

 このような霊山浄土へ行くには、お題目修行が必須です(なお、私たちは天国へは行かれません。なぜ行かれないのか。それはまたの機会に…)。

 ちなみに、次も晶子の歌です。

かまくらに 旅寝す法華 妙法の 太鼓も波も みな秋のおと

 鎌倉に響いていたお題目と太鼓の音を新潟にも響かせましょう。


…現世浄土化計画…

 「毎日唱えています」という方、誠にありがたい限りです。実は、ここでいう「お題目修行」とは、
・「南無妙法蓮華経」と唱える
・この世を霊山浄土にする
という二つの意味を持ちます。後者はどういうことなのか、それも、誌面の都合でまたの機会に…。


参考文献など
与謝野晶子1942『白桜集』改造社(国立国会図書館デジタルコレクション 参照 2023-04-24)
与謝野光・新間進一1967『晶子詩歌集』春秋社(国立国会図書館デジタルコレクション 参照 2023-04-24)(リンク先の閲覧には、国立国会図書館デジタルコレクションでの利用者登録が必要です)。
Wikipedia「与謝野鉄幹」「与謝野晶子
所報『佛心伝心』第75号より
このページの一番上へ


平和を求めて



 コロナ禍でも、こうして一緒にお参りできることはありがたい限りです。

 プーチン大統領に逮捕状が出されました。この後どうなるか、全くわかりませんが、これ以上戦争で苦しむ人が出ないよう、祈るばかりです。

 その点、寺報『石蕗(つわぶき)』にここのところ連続して戦争体験を掲載できていることは、誠にありがいことです。執筆くださった方に改めて感謝を申し上げると共に、みなさまからも是非とも寄稿をお願い申し上げます。

 さて、日蓮聖人は「釈尊出世の本懐は人の振る舞いにてそうらいけるぞ。」(『崇峻天皇御書』)と仰っております。

 お経をあげること、おまいりすることは大事です。これと並行して、怒らない、必要以上に欲しがらない・命を奪わない、困っている人がいたら助けるなど、人としてあるべき姿を体現することもまた、大事な仏道修行なのだ、と仰っております。

 さきほどの戦争を起こさないようにする活動も、別に趣味でしているわけではありません。人々の苦しみの根源になり得る戦争が起こらないようすることも仏道修行と言えると、確信してのことです。

 みなさまにも、そういった意味を含めた、ますますのお題目修行への邁進をお願いします。

令和5(2023)年春季彼岸会法話より
このページの一番上へ


心の健康が第一



 コロナ禍でも、こうして一緒にお参りできることはありがたい限りです。

 元鬼刑事の僧侶、大島龍穏上人に法福寺で御法話頂いたのは、平成20(2008)年のこと。その大島上人がNHKラジオに出演されました。らじる★らじるで聞くことができます(現在は公開終了)。

 さて、コロナ渦、そして地震や戦争。困ったものです。関連してお話ししたいことがありますが、時間も限られているので一つに絞ります。

 先週、コロナワクチン3回目を打ちました。最高で38.8℃の副反応。なぜか、頭の中で「4×7=28、4×7=28」と反復していました。「熱を出して寝ているんだから…」と思っても気づくと、「4×7=28、4×7=28」。
 今はお陰様でこうして元気です。健康のありがたみを実感させてくれた副反応でした。

 日蓮聖人は「蔵の財よりも身の財すぐれたり。身の財より心の財第一なり。 」(『崇峻天皇御書』)と仰っております。

 どうやら鎌倉時代の人々もまた、蔵の中身…お米やお金、着物といったところでしょうか…に価値を置いていたようです。そのような価値あるお金などを持っていることよりも健康であることの方が大切だし、体の健康よりも心の健康が一番の宝だ、と仰っております。

 みなさまも心の健康…穏やかな日々を過ごすために怒らない、いじめない、小さいお子さんはおうちの人の言うことを聴いて立派な大人になる…が維持できるよう、お題目修行の邁進をお願いし、法話とさせて頂きます。

令和4(2022)年春季彼岸会法話より
このページの一番上へ
ひとつ前の教え(2016〜20年)