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欲令衆
私達が日々おとなえしているお経の一つに「欲令衆(よくりょうしゅう)」があります。これは、大切な経文を抜粋して構成されています。次の現代語訳を読むと意味がよく分かります。
1.あらゆる佛は、衆生たちに佛の知見を開かせて、彼らが清らかになることができるようにしたいと思われるために、この世に出現された。衆生たちに佛の知見を示そうとするがために、この世に出現された。衆生たちに佛の知見を悟らせようと思うがために、この世に出現された。衆生たちに佛の知見を得るための道に入らせようとするがために、この世に出現された。舎利弗よ、これらのことを佛たちはただ一つの大事ないわれのためにこのように出現されたというのである。
2.この世界は安らかでなく、燃えている家のようなものである。さまざまな苦しみに満ちており、とても恐ろしく、つねに生老病死の憂いがある。このような火が燃えさかっていてやむことがない。釈迦牟尼佛は、すでに三界という燃えている家を離れて静かに一人でいて、林や野に安らかに身を置いている。今この三界は、みなすべて私(釈迦牟尼佛)の子供達である。しかも、今このところにはさまざまなわずらいや災難が多くあって、ただ私(釈迦牟尼佛)一人だけが救い守ることができるのだ。
3.私(釈迦牟尼佛)は身を変じた四種の人々、すわわち、僧、尼僧、男性信徒、女性信徒をつかわして説法するものを供養させて、衆生たちを引き導いて彼らを集めて説法を聞かせよう。もし人が憎悪、刀や杖、瓦や石によって迫害を加えようとするならば、そこで身を変じた人をつかわし、その人の護衛としよう。
4.その時に宝塔の中から大きな声がひびいて次のように讃えた。すばらしい、すばらしい、釈迦牟尼世尊よ。あなたは、よくぞ平等で偉大な佛の智慧、菩薩を訓育する法、佛に護持せられるもの、という「妙法蓮華経」によって大勢の人々に説法された。そのとおり、そのとおり、釈迦牟尼世尊よ、あなたが説いたところは、全て真実である。
寺報『石蕗(つわぶき)』第12号より
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