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今を大切に

 私達は毎日、人生には限りがあるということを忘れて生活していないでしょうか。今日できなければ明日、明日できなければ明後日やればよい、という気持になり、いつのまにか時間だけが過ぎ去ってしまっている、ということが多いのではないでしょうか。

 人それぞれ人生の過ごし方は違いますが、「限り」を意識した人生と、意識していない人生では大きな違いがでてきます。
 意識しないでいる人は、自分の時間が永久に続くように思っていますから、今の時間を大切にしません。その結果、中味の濃い充実した人生を送ることができません。
 逆に限りを意識している人はどうで しょうか。例えば百才まで生きると仮定して、百からあなたの年令を引いてみて下さい。残りの年数がこれから生きられる時間となります。このように考える時、一日一日と人生の時間が短かくなってゆくことに気がつき、今をムダに過ごせないという気持になってきます。
 更に、過ぎ去った時間は完度と戻ってこないのだということにも気がつきます。そこから今の一分一秒を大切に過ごすようになり、中味の濃い人生を送ることができるようになります。

 「一日一生」という教えがあります。「自分の一生は今日一日だけである」という考え方です。明日があるとは考えませんから、今日一日を一所懸命に過ごすこととなります。
 そして翌朝、目がさめることができたならば、その日一日がまた一生なんだと考えて一生懸命に過ごすことができます。

 このように考える時、今の一秒が貴重に思えてきませんか。思えてきた時から充実した人生が始まります。
寺報『石蕗(つわぶき)』第4号より

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