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仏事あれこれ 寺報『石蕗(つわぶき)』のシリーズ「疑問解決…!? これであなたもお寺ツウ?」より 番外:「法事の際の飾り付け方」 番外:「お盆の際の飾り付け方」 第20号:「散華、とは」 第18号:「仏足石について」 第17号:「ろうそく立てのお手入れ法」 第12号その2:「うらぼん、とは」 第12号その1:「法事をお寺でする時、用意するもの」 第10号その2:「お墓参りのマナー」 第10号その1:「お椀を置く位置」 第9号:「諷誦文、とは」 第8号:「塔婆の意味」 第7号:「お数珠の選び方、持ち方」 法事の際の飾り付け方 Q 新盆の時と一周忌(中略)の時のお仏壇周りの飾り等をどうしたら良いのか分かりません。(某氏) A 寺泊地域で一般的な 法事の際の飾り付け方について、すぐ下にあるお盆の際の飾り付け方を元に その違いを列挙し、ご回答申し上げます。 お盆と同じところ ・統一された決まりがないこと。 ・お棚の設置場所。 ・お位牌の安置場所。 ・お花、お膳、野菜、果物、お菓子を供えること。 お盆と違うところ ・まこも、竹(縄や、それにつるすお供え)、水の子やミソハギの花を束ねたものは、用いない。 サイト経由で頂いた御質問より
お盆の際の飾り付け方 Q 新盆の時と一周忌(中略)の時のお仏壇周りの飾り等をどうしたら良いのか分かりません。(某氏) A 最初にお断りしておきたいことは、「こういう風に飾ります」という全国的に統一された決まりはありません、ということです。質問者様の地域にあった飾り付けをするには、御親戚や御近所さんなどの詳しい方にお尋ね頂くのが一番です。 ここでは、法福寺のお棚を基に 寺泊地域で一般的な 飾り付け方について、ご回答申し上げます。 なお、新盆だから特別に飾り方を変える、といった習慣は、少なくとも寺泊地域ではないようです。 特徴を列挙します。 ・お棚は、お曼荼羅をお飾りした床の間に設置する(棚の代わりにテーブルを用いたり、それを床の間ではなくお仏壇の前に飾ったりするお宅もある)。 ・まこもを敷く。 ・一番上の段にお位牌を安置する。 ・手前左右に竹を立て、高さ1m〜1.5m辺りを縄で結ぶ(四隅に立てる地方もある)。法福寺では、そうめんなど(後述)をつるしやすくするため、木の棒を用いている。 ・縄に、そうめん、ほおずき、お飾り用の白ナス・なしなどをつるす。 ・お花一対、お膳、野菜、果物、お菓子などをお供えする。野菜などは、故人の好物や旬のものがよい。お肉やお魚、臭い強い野菜(ニラやネギなど)は避ける。 ・水の子(ナス、キュウリをさいの目に切ったもの)、ミソハギの花を束ねたもの、お水を用意し、お参りの際、ミソハギの花で 水の子に お水を掛ける。 なお、関東方面では、ナスやキュウリにおがらや(その代用で)ようじを刺し、牛と馬に見立てる風習がある(寺泊ではしない)。 また、竹に結び付けてある五色の旗は、一般家庭では見られない。 サイト経由で頂いた御質問より
散華、とは Q お彼岸などの法話の際、始まる前に何か をまいて、前の方の人が取っていますが、あれは何ですか。また、もし手に入れたとしたら、どうすればいいですか。(長岡市H氏) A 散華(さんげ)といいます。これは、もともとは、仏様に供養するために、その場に花をまくことを言います。今は本物の花でなく紙製の花弁をまくようになっています。説教の前にまくのは、散華して仏様に供養申し上げてから話しを始めさせて頂くためです。 もし、手に入れられましたら、ご自宅のお仏壇にお供えし、供養申し上げて下さい。 寺報『石蕗(つわぶき)』第20号より
仏足石について Q 本堂に置いてある足 は何ですか。(新潟H氏) A お釈迦様の足の裏を表した「仏足石」です。足跡の場合(「仏足跡」)もありますが、いずれも、仏様の尊さを説いています。 法福寺のそれは、日本の仏足石の模範となった、薬師寺御本尊の足の裏に似ています。小泉八雲が示した意味(恐縮ながら孫引きです)を参考にして、各文様に意味をあてはめます。 爪裏:卍…吉祥。 親指下:金剛杵…煩悩や怨みを打破する神聖な力。 人差し指下:魚…(魚が水の中で自由に泳げることから)あらゆる束縛からの自由。仏の境涯にあっては何ら束縛障礙がないこと。 中指薬指下:花瓶…(花瓶に入れた水が漏れないことから)無漏(さまざまな心の汚れがない状態のこと)、すなわち、生死を超えた最上智の境地。 小指下:螺…教えを説くこと。魔を驚かすこと。仏の声。 土踏まず:千輻輪…一切の迷妄疑惑迷信を破砕すること。悪をくだくこと。(なお、仏様は、扁平足です) かかと:梵王冠…(梵天王の冠が仏のかかとにあることから)仏は諸仏諸神に勝ること。 参考文献:山下正治(1970)「仏足石文様について」『立正大学文学部論叢』Vol.37pp.210-229. 立正大学 寺報『石蕗(つわぶき)』第18号より
ろうそく立てのお手入れ法 Q ろうそく立てをきれいにする方法はありませんか(長岡市S氏) A お湯が重宝します。 ドライバーなど先のとがったもので削ると傷が付きやすいので、オススメできません。 用意する物 ・新聞紙 ・お湯 ・ぞうきん ろうそく立て(燭台とも言います)を傾け、ろう受けの反対側からお湯を少しずつかけます。 流れたお湯には、ろうが含まれます。土や石など後で処理しやすい場所に流れていくようにしましょう。 流しへ流すと、つまりの原因になる恐れがあります。 残ったろうが固まる前(燭台が熱いうち)に新聞紙で拭き取ります。 なお、燭台はかなり熱くなります。やけどに気をつけて下さい。 寺報『石蕗(つわぶき)』第17号より
うらぼん、とは Q 「うらぼん」とは何ですか(新潟K氏) A 「お盆」のことです。一般的に、新潟はじめ地方では8月に、東京では7月に行われています。「逆さにつるされる苦しみ」という意味のサンスクリット語「ウランバナ」を音写した言葉です。「盂蘭盆経」に書かれた、目連尊者(お釈迦様の十大弟子の一人)の体験に端を発します。 目連尊者が、自らの神通力で亡き母の様子をうかがうと、何と、餓鬼となっていました。早速食べ物や飲み物を送りますが、何れも猛火となり、食べられません。何故このようなことになったのか、目連尊者はお釈迦様に問いました。息子である目連尊者には優しかったが、他の人にはそうでなかった、とお釈迦様は答えます。母の救いを求める目連尊者に、お釈迦様は、修行を明けた仲間のお坊さんに供養することで、母も救われると説きました。目連尊者は、お釈迦様に従い、果たして母は救われます。 時を経て現在、亡き御先祖の供養をする、という大事な仏教の行事となったのです。 寺報『石蕗(つわぶき)』第12号(2つ目の質問)より
法事をお寺でする時、用意するもの Q 法事をお寺でする時に用意するものは何ですか。(寺泊N氏) A 次のようになります。 ・年回忌にあたる故人のお位牌 ・御宝前用のお花一対、ローソク(朱20号か30号程度)、線香 ・塔婆(事前に申込み頂きますと、寺で用意します) ・御宝前用のお供物(菓子や果物等)…法要終了後、参列者皆さんでお召し上がり下さい。 ・寺の墓地にお墓がある場合は、お墓用のお花一対、ローソク、線香 寺報『石蕗(つわぶき)』第12号(1つ目の質問)より
お墓参りのマナー Q お墓参りのマナーは何ですか。(東京S氏) A 法福寺墓地で気をつけたいことは、次の通りです。
いつもお墓がきれいであるよう心がけましょう 。なお、お墓周りには、育てている草木もあります。 みなさまの御協力をお願いします。 寺報『石蕗(つわぶき)』第10号(2つ目の質問)より
お椀を置く位置 Q 仏様にお供えするおぜんの正しい並べ方を教えて下さい。(長岡市K氏) A 新潟では「一般的に」左図の通りです。 残念ながら「正しい」並べ方はありません。というのは、地域や流派によって置く位置が異なるからです。また、5つではなく、7つや4つのお椀でお供えする場合もあります。 なお、仏様に召し上がって頂くわけですから、御飯やお味噌汁、つまりお箸のある側が仏様側になります。 寺報『石蕗(つわぶき)』第10号(1つ目の質問)より
諷誦文、とは Q 「諷誦文(ふじゅもん)」とは何ですか?(長岡市K氏) A 先祖供養を志す人が 何かをお供えし 誰を供養したいかを述べた文を、諷誦文といいます。それは住職が読み上げるのが、一般的です。 法福寺では、お彼岸などの行事で法話の後に 施主名と法号(戒名)や先祖代々を読み上げているのが それです。 寺報『石蕗(つわぶき)』第9号より
塔婆の意味 Q 法事などであげる塔婆には、どういう意味があるのですか?(寺泊H氏) A 語源的には、古代インドの言葉「ストウーパ」を漢字に音訳したものが「卒塔婆」であり、これが更に「塔婆」となったものです。 「ストウーパ」とは、お釈迦様のお骨を納めた塔のことです。この塔のことが インドから中国をへて日本に伝えられ、五重塔となりました。五重塔はお釈迦様をうやまい、なつかしむ気持を表現したものとして建てられました。 しかし五重塔は簡単にはつくることができません。そこで簡単に五重塔を作ることを考えだしました。それが角塔婆であり、板塔婆です。ですから塔婆には上の方に四つのきざみこみがあり、五重に形づくられています。 ところで、私達は故人の追善供養の時に 何故板塔婆を立てるのでしょうか。 日蓮聖人が中興入道どのに出された手紙に次のように述べられています。 「お施餓鬼の時はもちろんとして、一周忌、三回忌、七回忌にあたった時や、亡くなった人の命日などに塔婆を立て、その面に南無妙法蓮華経と しるしなさい。・・・今はなき父や母も 塔婆を立てて供養してもらった功徳によって、日月がやみを照らすように、あらゆる全ての悩みから解放されて、安楽な世界で、心しずかに安らぐことができる。それと共に塔婆を立て供養した人は、自分の寿命をのばすことができ、死んでから後は、父や母と同じように霊山浄士に生まれかわることができる。」 と。 寺報『石蕗(つわぶき)』第8号より
お数珠の選び方、持ち方 仏事での作法など、みなさんの疑問にこたえていくシリーズです。第一回は「お数珠の選び方、持ち方」です。 −−選び方−− 法福寺は 御承知の通り「日蓮宗」です。ですので、やはり「日蓮宗のお数珠」をお持ち頂きたいものです。 日蓮宗檀信徒の方々が使われるのは「菊房数珠」(図1) になります。 ・輪になっている部分の小さい玉が百十二個 ・一房が三本と二本 ・房の先はボンボン といった特徴があります。仏具屋さんなどでお求めの際は、「日蓮宗のお数珠を下さい」と注文されれば 結構です。 なお、房が一つ、玉が二十前後のお数珠を「各宗派共通で使える略式の数珠」と言って売っているのを見受けます。しかし、日蓮宗としては 認めておりません。 それしかお持ちでない方はお使い頂いても結構ですが、次の機会には(図1)の数珠をお求めになることをおすすめいたします。 図1:菊房数珠 −−持ち方−− 下表を御覧下さい。
以上おおまかに御説明いたしました。 特に、(図5)のような状態で、きれいに合掌されていると、見ている側も気持ちよく感じるものです。また、「おっ、わかっているな」とお坊さんに思われること、間違いなしです。 本欄作成に当たり、参考にした図書は、はじめにに紹介してあります。 寺報『石蕗(つわぶき)』第7号より
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