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善い原因をつくりましょう

 私達は日常の生活において「運」が良かった、悪かったとよく言います。この「運」とは何でしょうか。広辞苑によると「めぐってくる吉凶の現象。幸・不幸、世の中の動きなどを支配する人知・人力の及ばないなりゆき」と説明されています。では、めぐってくる理由(良い運、悪い運が来る理由)は何でしょうか。

 仏教では世の中の全ての事象は「縁」によって起こると教えています(「縁起」)。これは、広辞苑に「一切の事物は固定的な実体をもたず、さまざまな原因(因)や条件(縁)が寄り集まって成立しているということ」と説明されている、仏教の根本思想です。

 すなわち、「めぐってくる運のもとは縁によって起こってくる」と言えます。従って、「縁」とは諸々の結果を生じさせる もと です。

 このことを説明する言葉として「善因善果」(善い原因(縁)をつくれば結果として自分自身に善いことが起こる)、「悪因悪果」(悪い原因(縁)をつくれば結果として自分自身に悪いことが起こる)があります。これが縁起の教えの中で一番重要なことです。

 これからの幸せの為に、常に、善い原因(縁)をつくりましょう。

 どのようにしてか。それは、次の四つの心を持って「他の人々のために思いやりの心を尽くすこと」です。

一、他人をいつくしみ楽を与える心
二、他人をあわれみ苦しみを抜いてあげる心
三、他人の喜びを自分の喜びとする心
四、諸々のことがらにとらわれず、分けへだてなく人に接する心
寺報『石蕗(つわぶき)』第18号より

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