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 本堂に置いてある足
仏足石
は何ですか。(新潟H氏)


 お釈迦様の足の裏を表した「仏足石」です。足跡の場合(「仏足跡」)もありますが、いずれも、仏様の尊さを説いています。

 法福寺のそれは、日本の仏足石の模範となった、薬師寺御本尊の足の裏に似ています。小泉八雲が示した意味(恐縮ながら孫引きです)を参考にして、各文様に意味をあてはめます。

爪裏:卍…吉祥。

親指下:金剛杵…煩悩や怨みを打破する神聖な力。

人差し指下:魚…(魚が水の中で自由に泳げることから)あらゆる束縛からの自由。仏の境涯にあっては何ら束縛障礙がないこと。

中指薬指下:花瓶…(花瓶に入れた水が漏れないことから)無漏(さまざまな心の汚れがない状態のこと)、すなわち、生死を超えた最上智の境地。

小指下:螺…教えを説くこと。魔を驚かすこと。仏の声。

土踏まず:千輻輪…一切の迷妄疑惑迷信を破砕すること。悪をくだくこと。(なお、仏様は、扁平足です)

かかと:梵王冠…(梵天王の冠が仏のかかとにあることから)仏は諸仏諸神に勝ること。

参考文献:山下正治(1970)「仏足石文様について」『立正大学文学部論叢』Vol.37pp.210-229. 立正大学
寺報『石蕗(つわぶき)』第12号より

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